フィンランドではOiva Toikkaという非常に優れた芸術家が現在も現役で活躍なさっていらっしゃいます。今年、ヘルシンキ・デザインミュージアムで開催された「Oiva Toikka-Moments of Ingenuity」展は、彼のデザイナーキャリア50周年を祝う特別展示でした。館内は写真撮影が禁止でしたので展示作品はご紹介できませんが、展示の中で放映されていたToikkaのインタビュー内容がとても興味深かったのでお伝えします。一つ目は彼が自身の作品を「醜いものと美しいものの境界にある」と定義していたこと。納得される方も多いかもしれませんが、時にToikkaは極めて奇抜でインパクトの強い作品(特にアートグラス。)を制作しますが、その点を彼自身が確信犯的に理解している点に驚きました。もう一つは彼の作品制作の過程においてデザインを実際に形にする職人(クラフトマン)の存在が非常に大きな位置を占めるていること。Toikka曰く、時に職人がデザイナーよりも美に対する強い執着心を持つため、Toikka自身よりも職人が完成品に対して納得をしない場合があるとか。一応補足説明しておきますが、Toikkaがデザインしたグラスやセラミックを彼が実際に形にすることはほとんどありません、全て職人によるものなのです。以上、今回の展示を見ておもしろいなぁと感じたことをレポートさせていただきました。皆さんに少しでもおもしろいと思っていただければ嬉しいのですが、いかがでしたでしょうか?
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