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- @nifty:デイリーポータルZ:ふうてんの研ぎ師
他業種の方にもあつい信頼をおかれる二階堂さん、そんな彼もひとりだけ、「本物の師匠」だという人がいるとのこと、遠い昔のそのお話をうかがうことができました。
一日目 ひとりの初老の男性がやってきてしばらく二階堂さんの仕事を見ていた。
二日目 誘われて喫茶店でコーヒーを飲んでいる間に「お兄ちゃん、ハサミ磨げるの?」と聞かれ、正直に「今はダメ。師匠を探している」と話す
三日目 「よく見ろ一回だけだぞ」と、男性はハサミを磨ぎはじめる。
「もうーおどろいた。食い入るように見たよ」 実は当時、ハサミ研磨の腕をあげたい一心で、仕事のあとに日々鍛錬していた二階堂さん。
満足のいく仕上がりにはならず、”一人では限界がある”と師匠を探していた矢先のできごとでした。
ハサミ研ぎ師だったその男性は、そのあと一度も姿を現さなかったそうです。
場所は、高島平。 「もう一度だけでいいから会いたいんだよ。それっきりなんだから。だから、遠いけど、月に一回はかならず行くようにしてんだ」
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