特異点

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思うところ色々あって手を出せずにいたDVDをようやく最近手に入れました。
映画の内容の感想は他の皆さんが存分に書かれているので
私は映画公開時の忘れられない思い出を書いてしまおうと思います。
（長文で申し訳ないですが・・）

私は２０年前はちょうど１１歳の小学生で、７つ年下の妹と２人でこの映画を映画館で観ました。

親が仕事をしてる間はいつも私は妹の面倒を見る子守役もやっていました。
ある意味私と妹はちょうど「となりのトトロ」のサツキとメイのような感じでした。

いつもどおり妹を連れて時間を潰すのにどうしよう、映画でも観ようと、考えた時、
目に飛び込んだのが、女の子が空に浮かんで、下でその女の子を見上げている男の子のポスター。
青くてきれいで不思議な印象のポスターでした。子供だけで映画館に入るのはその時初めてで、
しかも映画もポスターを見る限りその時の自分にはおとなっぽい感じで、かなり迷いましたが、
勇気を出して入館。そしてその数分後、私も妹もスクリーンに見事に引き込まれました。

あまりの面白さに上映中も何度も妹と顔を見合わせて笑い合ったのを覚えています。
そして子どもながらかなりずるいことを思いつきました。「このまま席に座って
あと何回か観たい！」当時の映画館では完全入場入れ替え制、というものが無かったのです。
私と妹は続けてその後２回。結局３回そのまま座って映画館でラピュタを観たのです。
見つかったら大人に怒られるかも知れないのですが、見つかって怒られるコワさより
映画を観たい気持ちが勝ってしまっていました。
考えてみれば、妹はあの映画を観たときたったの４歳。
今思い返すとちょっと異常な気もしますが、けれどたった４歳の子が映画館で同じ席にずっと
座って３回続けて観てもまだ観ていられる。天空の城ラピュタはそんなすごい映画だったんです。

その後仕事を終えた母親に一生懸命映画が面白かったことを伝えてもあまり信じてもらえず、
学校に行ってもクラスメートで観てる人は誰もおらず、なけなしのこづかいで買った映画の
ポスターを壁に貼って毎日眺めて「本当に私この映画観たよね？」と悶々とする日々が続きます。

そしてようやくテレビでも放送。母親もようやくわかってくれました。しかも
映画で観れてうらやましいと言ってもらえたのが嬉しかった。録画したビデオテープは妹が
何度も何度も見返して、ノイズが随分入りましたが、それでも何度も観て。
宮崎駿という人の映画であることを小学生ながら覚えました。（初めて覚えた映画監督の名前でした。）
妹とも７つ年の差関係なく映画のシーンのどこが良かったか、と何度も随分盛り上がりました。
それからラピュタ公開数年後の「となりのトトロ」を今度は親も一緒に観に行きました。

懐かしさのあまり長文になってしまいましたが、それくらい強烈な思い出です。
残念ながら家族は今はばらばらになってしまったけど、あの頃、７つ下の妹の面倒を観るのが
本当に嫌で、わがままで生意気で親には１人だけ甘えられてずるいよ、腹立つなー！と
随分思ってたけど「天空の城ラピュタ」のおかげで妹と「仲間」になれた気がしました。
２人とも映画大好きになり、それ以外でも、、考えてみればラピュタには
何度も子どもの頃救われたなーと思います。

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- 天空の城ラピュタ／ユーザーレビュー - Yahoo!映画 (via ittm)